2019年06月16日

楽譜出版のご案内(箏曲)

本日ご紹介の楽譜は、中国二胡の有名なスタンダードナンバーを日本の楽器「二十絃箏」独奏用に編曲した、阿炳《二泉映月》販売開始のお知らせです。

阿炳(華彦鈞)「二泉映月」二十絃箏独奏のための (通常五線譜〜D調)
出版番号MB2566 スコア5ページ(解説書付き)
難易度★★★★★(上級)演奏時間:約6分 
PDF版¥2,500 印刷版¥3,000 Twitter
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▶上記の楽譜は MusicBells 出版から購入することができます

二胡音楽としてのみならず、中国音楽のスタンダードナンバーとしても名高い、阿炳(本名=華彦鈞)の「二泉映月」。この名曲を日本の楽器である二十絃箏独奏用に編曲したのがこの度の楽譜です。本来はG調ですが、編曲では響きの演出上D調へ移調されています。

今回のアレンジに当たっては全てを独断で勝手に作り上げてしまうのではなく、中国琵琶や古筝用の簡譜資料・音源を比較検討し、中華的な響きや表現等を踏まえた上で、二十絃箏に適した奏法・楽器効果、または日本的な表現というものを再構築して行く方法を採りました。よって現代的な響きを持ちつつも古典的な表現が多いことも特徴です。

全曲を通して遅い4拍子のリズムで展開しますが、基本インテンポを保ち、各段落で軽めにテンポを揺らすと良い演奏になると思います。常にルバートを掛けるようなルーズな弾き方は避けた方が良いでしょう。

独奏ということで奏法的には高度なテクニックを要し、両手の同時使用、トレモロ奏法による旋律、絶妙なタイミングでの押し手やグリッサンド・装飾音、ハーモニクス奏法、重音(和音)など多彩です。尚、楽譜に書かれる記号・記譜法に関しては付属の説明欄をご確認下さい。

現在、中国音楽の箏譜は簡譜で記譜された中国書籍であることが殆どで、五線譜による正確な書式によって書かれた楽譜が国内で市販されているのは大変稀ともいえます。興味のある方はこの機会にぜひお試し下さい。中国音楽の愛好家はもちろん、五線譜の読譜を勉強中の奏者の方や、現代邦楽への入り口として用いるのも良いかもしれません。
posted by アッキー at 13:57| 北海道 ☔| Comment(0) | 邦楽器・伝統楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月10日

楽譜出版のご案内(箏曲)

本日ご紹介の楽譜は、中国の古典曲を「二十絃箏」独奏用へ改変した、中国東北部民間音楽《江河水》販売開始のお知らせです。

尚、今月いっぱいは邦楽器関係の新譜情報を中心に更新する予定です。

中国古曲「江河水」二十絃箏独奏のための(通常五線譜)
出版番号MB2565 スコア6ページ(解説書付き)
難易度★★★★★(上級)演奏時間:約7分 
PDF版¥2,500 印刷版¥3,000 Twitter
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▶上記の楽譜は MusicBells 出版から購入することができます

中国伝統曲である「江河水」の旋律は、元・明といった時代に既に存在していたと言われており、その後、笙管や双管といった楽器のために改変され、現在では二胡の名曲として確固たる地位を築いている音楽です。その中国の名旋律を、日本の楽器である二十絃箏のために"独奏曲"として再構築を試みてみたものがこの度の編曲になります。

★【演奏のポイントとして】
古典曲を伝統楽器で演奏する場合には共通することですが、奏者自身が「書かれた音や記号の解釈を如何に自主的に自然に行うか?」が最も大きなポイントになります。特にこの曲では小節線が存在しない無拍部(カデンツァー)も多く含まれ、時間軸が演奏者の感性によって伸縮するという特性を持つことから、解釈によっては音楽的にも非音楽的にも成りうるという危険性を常に孕みます(この点はジャズの即興演奏と類似する)。これは音高・リズムのみならず奏法類(押し手のタイミングやヴィヴラート等)に関しても同様です。楽譜にはテンポやダイナミクスを始め大凡の指定はありますが、西洋音楽の感覚で楽譜に忠実な演奏をしようとすれば、それは恐らく不自然でおかしな音楽になってしまうでしょう。

演奏には箏で用いられる基本テクニック(押し手、グリッサンド等)が一通り用いられる他、両手の同時使用、重音、ハーモニクス奏法、クラスター和音によるラスゲアード(かき鳴らし)など高度な技術も使用されます。これらを如何に自然に使いこなすかも大きなポイントです。記譜法に関しては付属の別紙を参照して下さい。また、楽譜は通常の西洋五線譜で記載されており、簡譜や文字譜では無いことにご注意下さい。

色々な意味で少々難しい楽曲でありますが、解釈、感性、テクニックがバランス良く融合すれば大きな表現力を持つ音楽になると思います。コンサートピースなどにも向いているかもしれませんね。中国伝統曲の二十絃箏用五線譜は市販品として殆ど出回っていないこともあり、興味のある方はこの機会にぜひお試しになってみて下さい。
posted by アッキー at 12:54| 北海道 ☔| Comment(0) | 邦楽器・伝統楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする