2019年11月21日

アーニーボール「BLACK & SILVER NYLON CLASSICAL GUITAR STRINGS」レビュー

本日はアーニーボール社から販売されているちょっと珍しいクラシックナイロン絃をレビューしてみます。

◆ERNIEBALL
「BLACK & SILVER NYLON CLASSICAL GUITAR STRINGS」
 ¥844
(時価〜Amazon)

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アーニーボールといえばエレキギターやフォークギター用のスティール絃のイメージが強いせいか、クラシックギター用のナイロン絃が販売されていたことは最近までまったく知りませんでした。専用のブランド絃と比べれば廉価製品ぽい感が拭えない印象はありますが、何と言っても価格が安いですし、クラギの世界では珍しいブラックナイロン絃ということでサブギター用にお試しで購入してみました。

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このシリーズは一般的な「クリアナイロン絃」と「ボールエンド付きナイロン」そしてこの「ブラックナイロン絃」という3種類が販売されているようです。

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高音側のブラックナイロン。

表面がツルツルすぎて妙な感じです。どこかのレビューにも書いてありましたが、この感触はghsのブラックナイロン(ウクレレ絃)にそっくりですね。楽器に取り付けていない状態だとやや細めに感じます。仕様書によるとゲージは1絃側から028/ 032/ 040/ 030/ 036/ 042のミディアム・テンションとなっているようです。

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ブラックナイロン絃はD'AddarioやLa Bellaなどのメーカーからも販売されていますが、普段ほとんど使うことが無いこともありちょっと見慣れない感じもします。ちなみに少し暗い部屋などで弾くと高音ナイロンの3本がほとんど見えなくなる(ww)ので、ポジションの目視を必要とする入門者や初級者の方にはあまりオススメしません。尚、張絃後は2日程度で安定します。

★【全体的な使用感】
まず、この絃はテンションがかなり強めです。特に低音絃は"ハナバッハの青"レベルの張りの強さを感じます(本当にこれミディアム・・?)。そのせいもあってか剛性感がありピッチが良く、ダウンチューニングにしても適正な張りが保たれます。しかしその反面、高音ナイロン側は妙に細い感があり(1〜2絃は特に細い印象)低音巻絃と高音ナイロンのゲージ設定がアンバランスな印象も受けます(※但し実際のゲージ表を見る限り他製品と比較的してそれほど極端な差はない。あくまで感覚的なものか?)。これはもしかしたらエレキギター等からの持ち替えを想定しているのかもしれませんがちょっと気になる点です。

音色は柔らかでおとなしいマイルド系の響き。低音巻絃は音が太く、ロー又はミドルポジションでのゆったりとしたメロウな楽曲に合っている気がします。ただナイロン1〜2絃に関してはエレアコを鳴らしているような音の細いペチペチ感が目立ち(これはアルアイレで顕著)低音の太さと比べるとやや不自然です。しかも低音巻線が全域にわたり音が太く安定してるのに対し、ナイロンはハイフレットに移行するごとに力強さが薄れ音が細くなって行くため、高音部が多用される音楽(大聖堂の第一楽章など)ではバランスを保つのが難しくシビアなコントロールが要求されます。また楽器の相性にもよるかもしれませんが、パワー感を表現するような強い響きの音楽にはあまり向かず、音色の多様性にもやや乏しい傾向を感じます。

耐久性に関しては毎日1時間程度弾くとした場合、低音巻線が2週間ほどで音に張りがなくなり、ナイロンは3週間程度で柔軟性が落ちてきて音が固くなりノイズが目立ってきます。但し、テンションが強いことから絃がダレてしまうようなことはなく、軽い練習のみに使うのであれば2ヶ月以上使用可能。他の絃と比べても耐久性は悪くない印象です。

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◉【総合評価として】
★★★☆☆〜まあまあ
本格的なクラシック楽曲向けではないが、練習用途やコードストローク中心の音楽ではそれなりの価値がある

やはり高音絃のパワー感が弱いのは大きな不満点。音色そのものはそれ程悪くない分ちょっと残念なところです。高音ナイロンのみを他の絃に入れ替えるというのも手ですが、低音絃も"音が太い"こと以外は特に目立った特徴がないことから正直オススメしません。

価格は安いため、練習用として早期に絃交換しつつ新鮮な響きを保ちたいのであればそれなりの価値があるでしょう。テンションが強いので指の訓練にはなるかもしれません。また今回は試していませんが、エレアコやサイレントギター等でのコードストロークやオブリガート中心の演奏であれば結構使える絃に化けるような気もします(アーニーボールはそこを狙っている感がありますね)。

楽器によっても相性が色々変わりますので、この記事はあくまで参考にしながら最後はご自身の耳で判断してみて下さい。

【正規品】 ERNIE BALL 2406 クラシックギター弦 (28-42) ERNESTO PALLA BLACK & SILVER NYLON CLASSICAL GUITAR STRINGS
【正規品】 ERNIE BALL 2406 クラシックギター弦 (28-42) ERNESTO PALLA BLACK & SILVER NYLON CLASSICAL GUITAR STRINGS
posted by アッキー at 00:45| 北海道 ☔| Comment(0) | 楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月01日

カリンバを試す(民族楽器)

注文していた「カリンバ」が先日届きました。

MOOZICA「17音カリンバ」
(コアアカシア木-K17KS) ¥4,299(Amazon)

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現物はもう少し黒みがかった高級感のある色です(※上記の"スタンド"は付属しません=¥700程度で別途販売)

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小型楽器の購入はウクレレ以来5年ぶりくらいですね。包装紙にでも包まれて素のまま送られてくるものと思っていましたが、家電みたいな丈夫な箱に入っています。

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さらに楽器本体はセミハードケース内に完全に固定されて収まっており、そこら辺の土産物とはちょっと異なる本格的な商品です。

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本体以外の付属品は、親指保護用の指先プロテクター(指サック)が2つ、音名表記シール、ポジション視認用のカラーシール(赤&緑)、チューニングハンマー、クロス1枚、何を入れるのかよく分からない黒い布袋が1つ、そしてスターティングガイド(解説書=英語)が入っています。

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この《カリンバ》とは、十数枚並ぶ"板バネ"を弾いて発音するアフリカ原産の楽器。いわゆる「親指ピアノ(thumb piano)」と呼ばれ、オルゴールの元祖になったとも言われています。写真で見るとすごく小さく見えるかもしれませんが実際は結構な大きさがあり(丁度ipad miniくらい)、強く鳴らせば想像以上に大きな音を出すことも可能(マイクなしでもアコギと対張れる程)。

また、この楽器は他の楽器とは一風変わった独特な構造的特徴を持っています。それは音の位置が「左右対称型となる音板配列」です。

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図を見ると分かるように順次音階が左右交互に飛びながら位置しています。従い、ピアノ的な直線配列の楽器と比較すると根本的なシフティング(ポジション移動)が全く異なる動きとなってしまい、これがカリンバを始めようとする人を大いに悩ます理由にもなっているようです。

しかし左右の親指2本で発音するという演奏特性から考えた場合、対称配置は非常に合理的な音の並び方であり現実的な理に適ったものであることも事実。もしこれをピアノ配列に変えたとすれば(※大型の楽器では採用しているものもあります)音板の大きさなどからして恐ろしく演奏しにくい楽器になってしまうでしょう(このことは左右2本のスティックを用いる打楽器を考えると容易に理解できるのではないでしょうか?)。従いカリンバを演奏するためにはまず音板の配列とシフティングを完全に理解する必要がありますね。

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この楽器はデフォルトの調性がCメジャー(スケール)17音(音域=2オクターヴと3度)に設定され、半音階の演奏は出来ません(※チューニング変更によっては部分的に可)。音板には音名が刻印されているので入門者にとっては分かりやすい仕様であり、付属のカラーシールは上記のように特定の音に目印をつけるためのもの(ハープや箏などの着色絃と同じ意味)。私の場合は主音のC音に赤、属音のG音には緑を用いています。ちなみに金色の鎖のようなものは「サワリ(びり付き音)」を出すためのものだそうですが、あまり良い効果にならないこともあって私は使っていません。

尚、この音板を指で弾く際は"少し伸ばした爪"で、やや立て気味に上方から軽く押し込むように弾くとしっかりした音が鳴ります。爪は無くても弾けますが、音が弱くなって隠りがちになることと、同音反復(同じ音の連打)の際に指先の肉が音板に当たり振動が止まり易く、サスティンが途切れてしまうことが多いです(※これはギター等の指頭奏法と爪奏法を比較すると分かりやすい)。

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背面より。裏には小さな穴が2つ設けられておりヴィヴラートをかける時に使います。穴を開いたり閉じたりして音を揺らすことが可能(前面のサウンドホールを使っても同様の効果が可)。

◉《総合評価として》
さて、簡単に楽器について紹介してきましたが、このMOOZICAのカリンバ。約¥4,000とお手軽価格の製品の割に総じてこれといった不満点はありません。商品レビューでは音板の鳴りが悪いとか作りが雑といったものも見受けられましたが、この楽器に関してはそんなことは全くなく、全音域に亘ってかなりの音量で鳴りボディー全体も気持ちよく振動しています。また外装も大変美しい仕上がりです。付属のチューニングハンマーで板バネの調律(※注↓参照)も試してみましたが音板やブリッジサドル等の剛性も特に問題はありません。あえて注文を出すとすれば板バネがやや固い(特に高音側)ということでしょうか。

※注:私は現在デフォルトのC調を1音半下げのA調に変更しています。この楽器ではG調程度まで下げることが可能と思われますが、ダウンチューニングにすると"板バネ"が長くなる分、振幅が大きくなるため全体のサスティン・音量も上がり、特に高音域がはっきり鳴るようになることから個人的にはA又は1音下げのB♭調のチューニングをオススメします。

いわゆる"高級な楽器"というものを試したことは無いのでそれらがどの程度の性能なのか分かりませんが、少なくともこれからカリンバを始めたいという人の最初の楽器として十分オススメできる製品です。今回の物と同型のカリンバ演奏はyoutubeでたくさん確認できますので購入を検討している方はぜひ一度ご覧になってみて下さい。テクニック次第で多様な表現力を得られるカリンバという楽器の魅了に気づかれるのではないでしょうか?。

本日の最後は人気カリンバ奏者April Yang さんの演奏にて。

★アニメ映画《大鱼海棠》よりイメージソング「大魚」

※注:この動画は実音でA-Majorにチューニングされているようです。基本型(C-Major)で演奏する場合は全体を1音半下げにするかC-Major用に移調する必要あり

MOOZICA 17音カリンバ, 親指ピアノ Kalimba 17音の指ピアノ, 高品質の17鍵カリンバ (コアアカシア木-K17KS)
MOOZICA 17音カリンバ, 親指ピアノ Kalimba 17音の指ピアノ, 高品質の17鍵カリンバ (コアアカシア木-K17KS)
Muslady 木製 親指ピアノスタンド カリンバブラケット 10キー/17キーカリンバス用
Muslady 木製 親指ピアノスタンド カリンバブラケット 10キー/17キーカリンバス用
posted by アッキー at 10:49| 北海道 ☔| Comment(0) | 楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月08日

ヤマハ「Classic Guitar String」レビュー(ギター絃)

以前の記事で少し紹介しましたが、今日はヤマハから発売されているクラシックギター用のナイロン絃「Classic Guitar String」を軽くレビューしてみようと思います。

YAMAHA「Classic Guitar String NS110」¥600程度
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ヤマハから販売されているクラシックギター用ナイロン絃には、高品質の「Grand Concert Strings」と、今日レビューする「Classic Guitar Strings」の2種類あり、こちらはクラシックギターのみならず、エレアコやギタレレ、サイレントギター等の様々な楽器に適合することから愛好者の多いナイロン絃としても有名です。私の記憶違いでなければ30年ほど前からパッケージが変わっていませんね。実はこの絃、その30年ほど前(高校生の頃)始めて購入した時にあまり良い印象を持てず、現在まで購入はおろか興味の対象とすらしていなかった製品ですが、サブギター用の安絃を探していたところ目に留まり価格に吊られて(購入時¥594)購入。もう一度確認の意味も込めて使ってみることにしました。

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昔は絃ごとに紙袋に入ってたような気がしますが、現在はナイロン袋に包まれ密封状態になっています。色々な意味で大らかだった当時とは異なり、シビアな時代に合わせた品質管理が行き届いているようです。

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6-5-4絃の巻き線にはブリッジ固定用の通し穴が付いています。この通し穴は一見便利そうに見えますが、通し紐が突然切れたり、張力によって固定位置がずれてチューニングが安定しなかったりとあまり良い点がないので、私の場合はこの部分を切り落としブリッジに直接巻き付けるようにしています。正直通し穴の使用はあまりオススメ出来ません。

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まず、この絃はテンション表記がされていないため(NS110とは"ノーマルストリングス"の意味なのだろうか?)ノーマルなのかハードなのかが不明。感覚としてはやや硬めのノーマルテンションといった感じで、そのためか時間が経過しても絃はダレることがなく割としっかりとした張りが保たれ、半音下げ等のダウンチューニングにしても然程違和感がない響きです。ちなみに絃が安定するまで2日程度かかります。

今までこの絃を敬遠していた理由でもある「音詰まり感」「短いサスティーン」に関しては略すべて解消されており、特に醜かった3絃の音詰まり感に関しては専用絃と同等の鳴りを持つようになっています。余談ですが、ヤマハ製のアコースティックギターにはブリッジサドルの3絃(フォークでは2絃)を乗せる部分に小さな溝が切られており、実質絃長をサドル側で微調整することによってこの音詰まりとピッチを補正する対策が成されていますが、一般的な溝のないサドルでもまったく響きに問題はありませんでした。

肝心の音色に関しては楽器にもよりますがあまり個性のない淡白な響き。今回は同じヤマハ製のギター(CG-130A)に用いた結果、楽器との相性は比較的良いものの、専用絃のような色彩感やパワー感というものには乏しい印象です。逆に言えば全音域で安定し、変にクセのない音とも言えるかもしれません。モジュレーション系や残響系のエフェクターを使うことも多いエレアコ等には向いているようにも感じます。

◉【総合評価として】
五段階評価=★★★☆☆
音色は凡庸だが、音の伸び、押さえやすさ、ピッチは上々で練習用としては最適。といったところでしょうか。知らないうちに色々と改良が施されていたようでちょっと見直しました。価格も安いことですし、しばらくはサブギター用にこの絃を使いたいと思っています。

アマゾンのレビューでは "チューニングがすぐ狂う悪い製品" という評価が散見されますが、正しい方法で絃を張れば不良絃でもない限りどのメーカの製品であったとしても演奏に支障をきたすような狂い方はしません。そもそもナイロン絃はスティール絃と異なり、張ってから1〜2日程度はチューニングも響きも安定せず、その後も少しづつ絃が伸び続けるのが特性であって、数曲弾いたら調絃をし直すのが当たり前の儀式のようなものです。もしチューニングが全く変化しなくなったとすればそれは絃が完全に死んだという合図なので交換したほうが良いでしょう。絃の張り方に不安を持っている方がいれば こちら の記事に正しい絃交換の方法が書いてありますので参考にしてみて下さい。

ついでに・・

Jim Dunlop (ジム ダンロップ) 6502
フィンガー ボード キット Formula 65 Fingerboard Kit

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絃交換のお供としてこちらもオススメ。指板洗浄剤とコーティング剤のセットです。汚れた指板がピカピカになりますのでぜひお試し下さい。

ヤマハ YAMAHA クラシックギター用セット弦 NS110 Set
ヤマハ YAMAHA クラシックギター用セット弦 NS110 Set

Jim Dunlop (ジム ダンロップ) 6502 フィンガー ボード キット Formula 65 Fingerboard Kit
Jim Dunlop (ジム ダンロップ) 6502 フィンガー ボード キット Formula 65 Fingerboard Kit
ラベル:ヤマハ ギター弦
posted by アッキー at 21:21| 北海道 ☔| Comment(0) | 楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする