2019年09月21日

音楽テーマ辞典?(書籍)

ここ一ヶ月ちょっと、吹奏楽や室内楽の編曲、ギター曲採譜などのスコア作成依頼が複数(何故か?)重なり、先日何とか落ち着いたところ。今回はこれらの作業を同時進行で行っていたこともあり、この期間ほぼ缶詰状態でようやく解放された感じです(と言ってもこれからまた自作品の作曲作業が続く....)。

しばらくまともな外出をしていなかったので、久々近所の"ブックオフ"に気晴らしに出かけたところ、こんな物が・・

「音楽テーマ辞典」第一巻
(交響曲/管弦楽曲/協奏曲・編)1983年:音楽之友社

1(\3000).JPG

外箱には多少劣化が見られるものの、中身は折り目や書き込み等が全くない(というかあまり開かれた形跡がない)ほぼ新品状態。だが中古本なのに¥3,000(定価は¥6,500)もする....

しばらく中身を確認したり、棚の回りを行ったり来たりしながら30分ほど考えた末・・「そう...この本は私の下に来る運命だったのだ!」とか自分に言い聞かせつつ(ww) 結局購入することに・・

2.JPG

3.JPG

そもそもこれは何なのかというと、古典から現代までの管弦楽作品に用いられる「主題(テーマ)」や「主要モティーフ」が抜粋され、大量に羅列された資料のようなもの。20代の頃からこの手の専門書はかなりチェックしてきたつもりでしたが、こんな便利な本があったとは知りませんでした。

4.JPG

5.JPG

本書の優れているところは、ベートーヴェンやモーツァルトなど古典の有名曲だけではなく、メシアンやリゲティー等の現代作品を始め、矢代秋雄、黛敏郎といった日本人作品まで幅広く掲載されていること。もうここまで来るとマニアックな域にすら達しています。

6.JPG

また大変面白いのは、曲名を"音名または階名で検索できる"という点。例えば、巻尾の索引から"音名索引"=「GGGE♭FFF」で探すとその横に0566という番号が記されており、本編で0566のページを開くと、ベートーヴェン:交響曲第5番の第一楽章・主題動機(ソソソミ♭-/ファファファ-)が楽譜で表されています。ちょっとお馬鹿なくらい細かな作りになっていますが、インターネットが無かった時代というのはこのように様々な工夫が凝らされていたのだなとも感じますね。

ちなみにこの《音楽テーマ辞典》は、上記の「管弦楽編」の他に、第二巻「室内楽、独奏曲編」と第三巻「声楽曲、歌劇編」があり、絶版のため新品販売はされていないそうですが、中古品がネットオークション等で割と安価で多数見受けられることから、現在全巻分の購入を検討しているところです。

ネット通販などで欲しいものをピンポイントで購入するのも今の時代の良い点ではありますが、実際に書店等に足を運び、偶然の出合いを期待するということもなかなか乙なもの(以前は音楽CDなどもそうだったのですが)。また新たな発見を求め、探索の日常が続きそうです。
posted by アッキー at 02:12| 北海道 ☔| Comment(0) | 音楽・楽譜・書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月25日

楽譜用印刷紙(事務用品)

電子楽譜が隆盛となってきた現在でもまだまだ"紙の印刷譜"は重要な位置を占めています。PDF譜を持っている方でも、まず印刷してから使うのが一般的ではないでしょうか。

恐らく多くは楽譜印刷をする時に「通常コピー用紙」を用いると思いますが、これは安価な反面、紙が薄くてすぐ垂れ落ちてきたり、音符や五線が滲んだり、色が白すぎて光って読みにくかったりと意外に(楽譜としての)マイナス点が多かったりもします。

今日はそのような点が見受けられない、楽譜の印刷に最適な《高品質印刷用紙》の紹介です。

ペーパーミツヤマ《書籍用紙》淡クリームキンマリ
4/6 90kg 104.7g/u A4:500枚 ¥1,494

1.jpg

2.JPG

実は以前、非常に高品質な楽譜専用紙を札幌の業者から仕入れていて、それを長年使ってきましたが、4〜5年ほど前にその用紙の販売が中止されてしまい、後にいろいろ探していたところ、最近になってこの製品を発見。上の画像サンプルで分かるように、紙は白色ではなく、市販の出版譜で一般的に使用されているものとほぼ同色の、目に優しい"薄クリーム色"になっています。

3.JPG

印刷状態は極めて鮮明(画像では分かりづらいか?)。上の写真はインクジェットプリンター(Canon:ix6830)で印刷したもの。試しにもう一台のモノクロレーザープリンター(京セラ:TASKalfa181=複合機)で印刷すると更に鮮明になりました(※但し複合機の場合は"紙詰まり"に注意〜手差しのほうが良いかもしれません)。両面印刷でも裏写りすることは無く、これに表面コーティング加工をすればもう市販出版譜とまったく同じ品質のものが出来上がりますね。実際このペーパーミツヤマの紙は多くの書籍に使われているものだそうです。

ちなみに用紙の仕様は〔T目、90kg(連量)104.7g/u(坪量)〕で、コピー用紙と比較すると厚く重い作りになっています。以前使用していた100kgと比較すると少し薄く感じますが、楽譜としてはちょうど良い厚みと言えるでしょう。譜面台に置いても倒れてくるようなことはありません。

4.JPG

サイズが各種用意されていることもあり、ソロや室内楽の他にも、大きな用紙が必要になる吹奏楽からオーケストラまで様々な用途に合わせて使えることもポイント。コピー用紙と比べれば4〜5倍の価格ではありますが、汎用品では得られない鮮明度と利便性を持つ優れものですのでそれだけのコストをかける価値は大いにあるでしょう。

楽譜制作者はもちろんですが、印刷した譜面を使う機会が多い演奏愛好家やプロまで、オススメの一品です。

ペーパーミツヤマ 書籍用紙 淡クリームキンマリ 4/6 90kg 104.7g/u A4 500枚
ペーパーミツヤマ 書籍用紙 淡クリームキンマリ 4/6 90kg 104.7g/u A4 500枚
ラベル:書籍用紙 楽譜
posted by アッキー at 20:00| 北海道 ☔| Comment(0) | 音楽・楽譜・書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月14日

燕になりたい・・の謎(中国音楽)

先月末から2月初めにかけ、ある依頼により、中国音楽「燕になりたい (我願做一只小燕)」という曲の『二胡と古筝(中国式琴)二重奏』用編曲を行いました。

0.png

曲そのものは以前から馴染みがあった事もあって作業自体は一週間ほどで終了し、引き渡しまで特に問題もなく順調でしたが、実はこの曲・・以前から気になっていた点があります。

二胡奏者、陳敏(チェン・ミン)さんの演奏で一躍有名になった「燕になりたい」ですが、作曲者は不詳とされ、様々な楽譜を確認しても作者の項は常に不明になっています。中には中国の古典音楽や民謡としている楽譜やCD、ネット記事も見受けられるようです。そんなこともあり、実は私自身も長いこと作者不明の中国古典民謡だと思い込んでいました。しかし編曲が終わって改めてこの曲のことを調べていると、どうやら作曲者がいて、しかもそれは同時代の人物らしい・・ということが分かってきました。

陳敏さんのブログによると、この作曲者は「梁和平」氏とされ、中国サイトの《百度百科》で調べると、古典の人物などではなく現代の、しかも中国ポップミュージック界で活躍する有名なプロデューサーであるらしい・・

この話が正しいのであれば、「燕になりたい」は"中国のポップス音楽"であったということになるでしょう。そういえば多くの録音や動画などで確認できるのはピアノやギターなど西洋楽器とのアンサンブルが多く、今回私が行ったアレンジのような古典楽器同士で伝統曲のように演奏されるものは殆ど見受けられません(二胡と楊琴くらいか?)。ということは最初から現代のポップス曲として創られたものだったのか?。

ちなみに、楽曲権利を調べる際に私がいつも利用している《J-WID》の作品データベース検索を確認すると、3件の該当結果すべて作曲者は不明(もしくはANON="匿名")の上、出版社契約も無く、他の項も日本人が手がけている作詞以外はJASRACの管轄外になっており、権利者がどこの誰にあるのかすら不明。 PD印(パブリックドメイン)が記されていないということは著作権落ちの古典曲などではなく、今時代の何者かが権利を有している(可能性がある)ということなのでしょう。あまりにも謎が多すぎる・・

これはあくまで私の勝手な想像ですが、この梁和平さんという人は1970〜80年代に頭角を現し、中国ポピュラー音楽の発展に貢献された方だそうです。だとすれば時代背景的に、資本主義文化の導入を強く否定していたという悪名高い"文化大革命"に巻き込まれそうになった、中国の政治的な理由により名を隠す必要があった・・という可能性も大いに考えられます(実際この時期に投獄されたり亡命を余儀なくされた中国人音楽家は多い)。真実は分かりませんし想像するしかありませんが、いずれにせよ一部の情報を除き、この「燕になりたい」は作者不詳としておいた方が良いのかもしれませんね。

いろいろな意味で謎ゆえにロマンティックでもある「燕になりたい」。もし権利落ちの古典曲であったならば編曲譜の公開販売を実施する予定でしたが、どうやら色々と訳有りの音楽のようなので一旦取り止めにしました。後日改めてブログ記事にて楽譜の詳細を再掲載する予定です。

スコアに関するお問い合わせ・ご質問のある方は右のメールフォームからご連絡ください。要御相談という形で対応させて頂こうと思います。
posted by アッキー at 12:40| 北海道 ☔| Comment(0) | 音楽・楽譜・書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする