2017年02月09日

出版済み楽譜の補遺

今日は既に出版済みの楽譜ですが、ラヴェル:ピアノのための「鏡」より《道化師の朝の歌》管楽アンサンブル版(吹奏楽)の説明補遺をしたいと思います。これまでブログでは紹介していなかったスコアですが、ポツポツと出ることもある様ですので、検討している方は参考にしてみて下さい。

M.Ravel:「Alborada del Gracioso」from Miroirs
for Mixed Chamber Wind Ensemble

出版番号MB0687 スコア42ページ(パート譜付き) 
難易度★★★★★(上級)8分程度 
PDF版のみ¥3,000(※印刷版はありません)
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【 編 成 】
1ピッコロ(※第3フルートへ持ち替えあり)
2フルート
2オーボエ
2バスーン
1(Es)クラリネット
4(B) クラリネット
1(Es)アルト・クラリネット
1(B) バス・クラリネット
1ハープ
2(C)トランペット
2(F)ホルン
1バス・トロンボーン
2コントラバス(※第2ベースは5絃又は変則調弦)
1ティンパニ
1カスタネット
1スネア・ドラム

【 参考音源 】※音声レベルが小さいのでヴォリュームを大きくして聴いて下さい
※上記はMIDI音源によるイメージです。実際の印象と異なる場合が(かなり)あります

▶上記の楽譜は MusicBells 出版から購入することができます。

まず注意点として一般的な吹奏楽とは異なり、編成にはサックス群が含まれないことに留意下さい(故に管楽アンサンブル版としています)。また楽器数は上記の通りではありますが、クラリネット群に関しては指揮者判断で多少増やしても問題ないと思われます(サックス群を含めて各音域に適したユニゾンとして演奏させても良いかもしれません)。吹奏楽ではあまり用いられないハープが使われますがピアノでも代用が可能です(但しあまり奨励はされません)。コントラバスは5絃を使うのが好ましいですが、4絃の場合はLow-Cの変則調絃(第2ベースのみ)として下さい。

この編曲はもともとある団体からの依頼により作成されたものでしたが、その時の要望でラヴェル自身のオーケストラ編曲版の響きを生かす方向で作られています。よって管楽器等の特殊奏法がそのまま書かれていることもあり、演奏がやや難しい部分もあると思われますが、比較的少人数によるクリアーな音質はすっきりした印象を持つものになると思います。大きな編成を持つ事が困難な吹奏楽団などにもおすすめです。

みなさまのご利用お待ちしております

posted by アッキー at 09:58| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 吹奏楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月24日

楽譜出版のご案内

今日は シューマン:子供の情景より「トロイメライ」金管十重奏版
販売開始のお知らせです。

R.A.Schumann:「Träumerei」
from KINDERSZENEN Op.15 for Brass Dectet

出版番号MB1608 スコア8ページ(パート譜付き)
PDF版¥800 印刷版¥1,300 演奏レベル:★★☆☆☆(初・中級)
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楽譜サンプル
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上記の楽譜は ミュージックベルズ出版 から購入することができます。

編成は B♭-Tp.×2 F-Hr.×4 Tbn.×2 B・Tbn Tuba の十重奏になっています。また原曲の調性はFメジャーですが、この編曲ではE♭メジャーへ移調し金管楽器で吹きやすい調性へ変更しています。

中間部のホルン・ソロの部分で第一ホルンにやや高い音 (記譜音Hi-A♭〜実音D♭) が現れますが、その他の楽器に関してはごく一般的な音域で展開されますので、レベル的に中級アンサンブル程度で問題ないと思われます。メロディーを担当するトランペット以外の楽器群はロングトーンが中心になりますので全体のピッチとブレス・タイミングに注意しながら演奏してみて下さい。

トロイメライは親しみやすいメロディーをもち、曲も短いことからコンサートはもちろん、ちょっとした余興などにも向いている音楽と思います。ハーモニーが揃ったときには大変美しい響きが生まれますので、この機会にぜひご利用してみて下さい。

posted by アッキー at 22:40| 北海道 ☔| Comment(0) | 吹奏楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月08日

パッサカリアとフーガBWV582 管楽アンサンブル(吹奏楽)版

今年ももうひと月を切りましたがみなさんどうお過ごしでしょうか?

年末ということで忘年会やクリスマス、大晦日などイベントが続く季節でもありますが、食べ過ぎ飲み過ぎなど体調を崩さないようお気おつけ下さい。ちなみに私はどうやらどのイベントにもあまり縁がなさそうです。

久々の音楽紹介となりますが、今日はBachのオルガン曲の中でも名曲中の名曲と言われる"パッサカリアとフーガBWV582"管楽アンサンブル(吹奏楽)版のご紹介です。 

原曲であるオルガン曲そのものに関しては恐らく説明の必要はないと思われますが、このたびの吹奏楽編曲における基本コンセプトであった "室内楽と大合奏の融合による音響の対比" "人力によるパイプオルガン" の2点を重視した作りになっています。特に室内楽と大合奏の音響対比に関してはオルガンという楽器のレジストレーション効果を大々的に取り入れたオーケストレーションになっていますので、多彩な音色変化と大きなダイナミクス変化がこの音楽の特徴でもあります。従い、吹奏楽的な表現というよりはパイプオルガンの効果そのものを目指した編曲といえるでしょう。

このような事情もありアンサンブル編成は一般的な吹奏楽とは少々異なったものとなっています。

以下にこの編曲に必要な編成数を記しておきます。

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全人員55人によるアンサンブルで、通常吹奏楽に含まれるサキソフォン群はこの編曲では用いられず、その代わりに低音木管のコントラバス.クラリネットやダブル.バスーン、また高音金管であるB♭コルネットといった楽器を増強し、音色としてはやや硬質な響きを持つ音楽になっています。印象的には"吹奏楽+金管バンド"といった感じでしょうか。絃ベースやパーカッション類も含まれず、全て管楽器のみの編成であることも特徴です(人力によるパイプオルガン化)。セクション楽器であるクラリネット群とチューバは曲中で細かな分奏(solo、div.他)も行われ、室内楽的な繊細な合奏技術が必要となる場面も多々現れます(例えば管楽10重奏などの演奏を想像してみると分かりやすいかもしれません)。

曲の規模が大きくダイナミクスの幅も広いことから、全奏者にはそれ相当のスタミナが要求されるでしょう。特に曲後半の低音金管群は無弓動的なフレージングが連続するため、ブレスのタイミングを配慮する必要もあります。一応全体的にブレスは考慮して書いてありますが、細かな部分は奏者の判断に任せますので最良な方法を採って頂ければと思います。

また譜面上に書かれる各種ダイナミクス記号(p f ff等)は音楽表現上の相対的な指示であって、実際の演奏でのダイナミクスとは異なる意味を持つ ことに注意を要します。この判断を間違えると弱音部などでは本当に何も聞こえなくなるなどという事態が起きてしまいますので気をつけて下さい。

パッサカリアとフーガBWV582 管楽アンサンブル版

(※サンプル音源はMidi音源であるため実際の演奏とは異なる場合があります。また音質があまり良くないため聞き取りづらい時はヘッドフォンを使用してみて下さい)

パッサカリア主題の提示は聞こえるか聞こえないかの弱音で開始されます。この弱音は第7変奏まで維持されるため、前半の3分ほどは室内楽的な繊細な演奏が必要となるでしょう。第8変奏からは徐々にダイナミクスを高めながら第12変奏のffで一つの区切りをつけます。

第14変奏からのフルート群を中心とした透明感のある分散和音のフレーズは前半部の聞き所でもあるので繊細で美しい演奏を望みます。この部分で圧縮された音響は第17変奏から一気に爆発しパッサカリア最終部である第20変奏においてクライマックスを形成します。

続くフーガ主題への移行に関しては様々な解釈がありますが、この編曲ではパッサカリア最終部をフェルマータで完全終了させた後にフーガ主題が改めて弾き直されます。フーガ主題は音色旋律によって異なる楽器同士が連結されながら主題音型を形成するため、演奏には細心の注意が必要です。徐々にダイナミクスを強め音響を圧縮しながらリハーサル番号27でffによる一種のクライマックスを迎えます。そこから更にダイナミクスは増大し、リハーサル番号29のエンディング(Coda)でfffにより曲は華麗に閉じられます。

全体的には上級アンサンブル向けの編曲(グレード5程度)になりますが、一般的な吹奏楽などの演奏に少々行き詰まりを感じている方などには良い刺激になる音楽に仕上がってますので、ここでの解説に惑わされず挑戦して頂ければと思っています。

現在出版準備中ですが、販売開始は恐らく来年度になると思われるためもうしばらくお待ち願いたいと思います。販売が開始されましたらこのホームページにて出版案内を掲載しますのでよろしくお願い致します。 ↑※無料楽譜の項を参照下さい

posted by アッキー at 19:03| 北海道 ☔| 吹奏楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする