2018年12月06日

陳其鋼(作曲家)

最近、”陳其鋼(チェン・チーガン=Qigang Chen)”という作曲家に注目しています。

陳其鋼は中国出身(現在はフランス国籍)の作曲家。始めてこの人の名前を知ったのは15年ほど前「ヴェールを取られたイリス」という作品が収録されたCDをたまたま興味本位で購入した時で、当時は中国人作曲家の風変わりな作品くらいにしか思っていませんでした。しかしここ数年ほど、youtube等で作品や実演の様子が紹介されているのを目にすることが多くなり、改まって色々と聞いてみたところ・・

陳其鋼って・・なかなか良くないか?

★ピアノと管弦楽のための「二黄」(2009)


陳其鋼の音楽の特徴として現代音楽系の作家としては珍しく、容易に前衛的な手法を用いない点にあるでしょう。常にメロディー(のようなもの?)が存在し、使われる和声にも明らかな中心音の存在が感じられます。勿論ここぞという場面では非常に複雑な響きも現れますが、基本的には汎調性を主体とした保守的な作風と言えます(※ここは同じ中国の作曲家である"譚盾(タン・ドゥン)" とは異なる部分)。

また編成に限らずオーケストレーションが大変クリアーで透明感があり、まるで無数の光が射し込んでくるような美しい音響体が醸し出されます。これは陳其鋼自身が"O.メシアン"の弟子であったことが関係しているかもしれません。音楽的にはフランス様式の影響を受けつつも、中国の伝統文化と絶妙に融合しながら新鮮で有機的な構造を作り上げる手腕は見事です。

「映画音楽みたいな...」という評価もあるようですが(これはクラシック系の作曲家に対する揶揄ですな)、映画音楽・・上等じゃないですか。それだけ万人にも支持されているということであり、マニアックな枠に終止しない、現代音楽の世界では稀とも言えるハイブリッドな音楽として大いに評価したいと思います。個人的には ”洗練された吉松隆” って感じ(?) でしょうか。

配信やCD等の販売が然程多くないため、全ての楽曲を確認することは出来ませんが、可能であるならソロ曲や室内楽など緻密な構造の音楽もぜひ聴いてみたいです。NAXOSあたりのレーベルが全曲集でも出してくれたら即購入するんですが・・。今後の配信に期待します。

それにしても最近は色々なジャンルで中国の躍進が目立ちますね、しかも質も良いときている。我が国も先進国などという思い込みにいつまでも胡坐をかいていると、知らぬ間に底辺に・・なんて事態が憂慮される時代が来たのかもしれません。

チェン・チーガン(陳其鋼):忘れられた魔法 他(CHEN, Qigang: Enchantements oubliés / Er Huang / Un temps disparu) - ARRAY(0x139b7c38)
チェン・チーガン(陳其鋼):忘れられた魔法 他(CHEN, Qigang: Enchantements oubliés / Er Huang / Un temps disparu) - ARRAY(0x139b7c38)
ラベル:中国音楽 陳其鋼
posted by アッキー at 18:45| 北海道 ☔| Comment(0) | 音楽・楽譜・書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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