穐吉 馨:前奏曲とフーガ ハ長調《尽きぬ流れへの追憶》
ピアノソロのための(2008)
●Prelude & Fugue in C-Major
《Remembrance to endless flow》for piano solo
出版番号MB2231 スコア7ページ
難易度★★★★☆(中上級)演奏時間:6分程度
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●サンプル音声●(※Fugueのみ抜粋)
一見、同じ毎日が繰り返されるように見える日常の生活や光景もその瞬間ごとに尽く変化しながら少しづつ形を変え、更にそれは延々とした時間の中で流れ続けて行く・・《尽きぬ流れへの追憶》は、このイメージをバッソ・オスティナートとフーガという2つの形式で表現してみたものです。又、ポピュラー的な要素(前奏曲)とクラシカルな要素(フーガ)をうまく融合させるという事も本曲のテーマと言えましょう。
●《Prelude:前奏曲》
執拗に繰り返される左手のバッソ・オスティナートが特徴。一種のパッサカリアと考えても良いかもしれません。このBass音型はフーガ主題の変形であり、続くフーガへ向けての整合性を形成する要素になります。全体として転調の多いプログレッシブロック風の曲調ですが、快活でスピード感のある自由な表現(多少派手でも)で演奏してみて下さい。可能であれば指定テンポより速くても良いと思います。なお、ペダルの位置に関してはあくまで参考であり、より良い方法があれば変えて演奏しても構いません。
●《Fugue:フーガ》
副題にもありますが、このフーガはD.ショスタコーヴィチを讃えた曲。"24の前奏曲とフーガ"より、C-Majorのフーガ主題と同じリズムを用いて作られています。4声の正統的な単一主題フーガであり、古典を弾くようなイメージで演奏すれば良いでしょう。所々にサスティンペダルの補助が必要となる箇所がありますが奏者の任意で判断してみて下さい。主題の入りはメリハリ付けて、かつ大げさになり過ぎないように品位を持って。
「前奏曲とフーガ」という形式は伝統のある曲種ではありますが、たまにはちょっと趣旨の異なった作品があっても良いかもしれません。多数の皆様のご利用をお待ちしております。

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