2019年06月30日

楽譜出版のご案内(室内楽)

本日ご紹介の新譜は室内楽の編曲譜で、J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」木管五重奏のための(全曲版)スコア販売開始のお知らせです。

J.S.Bach「Goldberg Variations」BWV988
for Woodwind Quintet(全曲)

出版番号MB2589 スコア97ページ(パート譜付き=全269ページ)
難易度★★★★★(上級)演奏時間:各曲2〜7分程度 
PDF版のみ ¥8,000 ☞Twitter
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★スコア参考サンプル(※5曲のみ抜粋)


▶上記の楽譜は MusicBells 出版から購入することができます。

バッハの「ゴルトベルク変奏曲」は、2曲のアリアと30の変奏による鍵盤音楽の金字塔ともいえる作品で、全曲演奏すると一時間超えという大作です。この度のスコアは「木管五重奏のための全曲版」になります。

編曲における大きな特徴として、発音様式や異なる音色の楽器同士が細かく連結されながら色彩を刻々と変化させる《音色旋律》の手法が大々的に用いられており、それに伴う演奏位置の位相によるパンニング効果など、大変スリリングでトリッキーな、やや抽象的な音楽として仕上がっており、木管五重奏というジャンルの特性が大いに生かされたものとなっています。

各変奏の中には特定の楽器がソロとして活躍する曲なども含まれ、全ての楽器に重要なパートが与えられていることも特徴。装飾音は全て実音で記譜され、原曲には書かれないアーティキュレーション等も監修されています。尚、一部の変奏に関しては編成上の響きを考慮した上で特定声部の音域変更や控えめに補筆されている部分があります。

注意点として、Fホルンに関しては奏法上の観点からF/B♭ダブルホルンの使用が想定されており(※シングルでは高低両極の音域やトリル音型に難が出る可能性あり)、低音部記号に書かれる音符は高音部記号と同じ上方五度への移調譜として統一されています(スコア/パート共)。安定した演奏には楽曲の理解と少々熟練が必要になりますが、色々なスタイルを試すことが可能な全曲版ということもあり、コンサートやコンテスト、合奏練習等さまざまな用途に使えるのではないでしょうか。

20代の始め頃、グレン・グールドのピアノ録音を聴いて以来、将来的に何らかの形でこの曲集に関わりたいと思い続けてきましたが、ここでやっと念願が叶ったような気がします。多くのアンサンブル共々、「ゴルトベルク変奏曲」の面白さを共有出来るのであれば幸いです。
posted by アッキー at 00:24| 北海道 ☔| Comment(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月24日

楽譜出版のご案内(二胡アンサンブル)

本日は、中国二胡の有名なスタンダードナンバーを、二胡と二十絃箏の伴奏付き二重奏へ改変した、阿炳《二泉映月》二胡と二十絃のための スコア販売開始のお知らせです。

阿炳(華彦鈞)「二泉映月」二胡と二十絃箏のための(通常五線譜)
出版番号MB2567 スコア11ページ(解説書&二胡独奏譜付き)
難易度★★★★☆(中〜上級)演奏時間:約10分 
PDF版¥3,000 印刷版¥3,600 Twitter
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♦二胡用独奏譜サンプル(付属)
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▶上記の楽譜は MusicBells 出版から購入することができます

「二泉映月」の原曲は二胡の独奏曲ですが、本家中国では歌を始め様々な楽器や編成へアレンジされ演奏されることも多く、中国のスタンダードナンバーとして確固たる地位を築いている音楽と言っても良いでしょう。ここでは日本の楽器である「二十絃箏」を伴奏パートとして加えた二重奏曲として仕上げてあります。ある意味、日・中のコラボレーションと考えても良いかもしれません。

@〈使用楽器に関して
二胡奏者の方はご承知かと思いますが、この曲は低音二胡である「二泉胡(g-d)」が使用されます。もし所有していない場合は、通常の二胡に『二泉弦』等の専用絃を張ってみるのも手かもしれません。二十絃箏に関しては一般的なものです(※楽箏は不可)。

A〈採用ヴァージョンに関して
この編曲で用いられている旋律は〈フルバージョン〉になります。「ショートバージョン」での演奏は不可ですのでこちらのスコアをお使い下さい。もしフルバージョンの市販楽譜をお持ちの場合であればそのまま使用しても問題ないです。

★【演奏上のポイントとして
二胡パートに関しては奏者のほうが詳しいと思いますので割愛しますが、独奏とは異なり伴奏が付く事から、あまりルーズすぎる演奏は適さないでしょう。伴奏パートとのユニゾンフレーズも多く現れますのでうまく息を合わせてみて下さい。二十絃は箏で用いられるテクニックが一通り用いられ、両手の同時使用や重音(※オクターヴの"合わせ爪"は多用される)等の高度な技術も用いられます。もし可能であるなら即興的にフレーズを入れてみるなどすれば更に生き生きとした音楽になるのではないでしょうか(※後半にグリッサンドのグラフィック記譜が現れますがここは完全にアドリブで演奏)。

スコアには付録として、ソロ用の"二胡独奏譜(五線譜)"が付属しています。内容はスコア譜と同じなのでパート譜としても使用可能です。尚、ここに書かれている運弓法やダイナミクスの指定は中国の二胡奏者である「儲師竹(1901-1955)」のものです(※一部変更点あり)。

二泉映月はもともとの演奏レベルが高いことからこの編曲も中・上級者向けになりますが、二重奏による立体的な響きは独奏とはまた変わった印象を持つものになると思います。二胡や箏の五線譜化された楽譜は珍しいものですので、ぜひこの機会にご利用なさってみて下さい。
posted by アッキー at 01:34| 北海道 ☔| Comment(0) | 二胡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月16日

楽譜出版のご案内(箏曲)

本日ご紹介の楽譜は、中国二胡の有名なスタンダードナンバーを日本の楽器「二十絃箏」独奏用に編曲した、阿炳《二泉映月》販売開始のお知らせです。

阿炳(華彦鈞)「二泉映月」二十絃箏独奏のための (通常五線譜〜D調)
出版番号MB2566 スコア5ページ(解説書付き)
難易度★★★★★(上級)演奏時間:約6分 
PDF版¥2,500 印刷版¥3,000 Twitter
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▶上記の楽譜は MusicBells 出版から購入することができます

二胡音楽としてのみならず、中国音楽のスタンダードナンバーとしても名高い、阿炳(本名=華彦鈞)の「二泉映月」。この名曲を日本の楽器である二十絃箏独奏用に編曲したのがこの度の楽譜です。本来はG調ですが、編曲では響きの演出上D調へ移調されています。

今回のアレンジに当たっては全てを独断で勝手に作り上げてしまうのではなく、中国琵琶や古筝用の簡譜資料・音源を比較検討し、中華的な響きや表現等を踏まえた上で、二十絃箏に適した奏法・楽器効果、または日本的な表現というものを再構築して行く方法を採りました。よって現代的な響きを持ちつつも古典的な表現が多いことも特徴です。

全曲を通して遅い4拍子のリズムで展開しますが、基本インテンポを保ち、各段落で軽めにテンポを揺らすと良い演奏になると思います。常にルバートを掛けるようなルーズな弾き方は避けた方が良いでしょう。

独奏ということで奏法的には高度なテクニックを要し、両手の同時使用、トレモロ奏法による旋律、絶妙なタイミングでの押し手やグリッサンド・装飾音、ハーモニクス奏法、重音(和音)など多彩です。尚、楽譜に書かれる記号・記譜法に関しては付属の説明欄をご確認下さい。

現在、中国音楽の箏譜は簡譜で記譜された中国書籍であることが殆どで、五線譜による正確な書式によって書かれた楽譜が国内で市販されているのは大変稀ともいえます。興味のある方はこの機会にぜひお試し下さい。中国音楽の愛好家はもちろん、五線譜の読譜を勉強中の奏者の方や、現代邦楽への入り口として用いるのも良いかもしれません。
posted by アッキー at 13:57| 北海道 ☔| Comment(0) | 邦楽器・伝統楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする